研究課題/領域番号 |
15530342
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
稲増 龍夫 法政大学, 社会学部, 教授 (70134426)
|
研究分担者 |
藤田 真文 法政大学, 社会学部, 教授 (60229010)
土橋 臣吾 武蔵工業大学, 環境情報学部, 専任講師 (50350236)
|
キーワード | メディア・リテラシー / テレビ / 消費文化 / テフスト分析 / 受容理論 |
研究概要 |
本年度は本研究3カ年の中間年として、主に2つの作業を行った。第1にメディア・リテラシーに関する既存の研究蓄積を批判的に検討し、複雑化し多元化する社会とメディア状況に即したメディア・リテラシー概念の定義と目標について考察した。この作業は本年度において、結論にまでは至らなかったが、メディア・リテラシーを上意下達の教育システムの一環とするのではなく、送り手と受け手、教師と生徒など、メディア社会を生きる人々の相互的な関係を考慮に入れたメディア・リテラシー概念の再構築が必要であるとの方向性を得た。 第2には、資料を読解する作業を中心として行った。資料とはテレビ番組(昨年度収集したDVD等の映像資料を中心としている)であり、ドラマ・スポーツ・ニュースなどを取り上げている。それら分析対象となる映像資料を視聴し、テーマごとに、セグメントの長さ・設定の特徴、登場人物や映像の流れ、カメラワークやカットなどの映像技法などの放送形態を分析する作業をおこなった。また、映像資料の物語の構造分析やメッセージ分析にも踏み込んでいる。 これら映像資料の分析作業は視聴者の解釈過程の分析作業との比較検討を前提にしている。これら比較検討を行う補助的な作業として、アカデミズム以外のメディア・リテラシー観を検討した。つまり、メディアが現実を構成するとの視角から、メディア批判を行うジャーナリストなど専門家の意見を参考にするための資料収集を行い、次年度以降の研究の土台固めを行った。
|