1.平成16年度は、研究実施計画で触れておいた(A)<《分析技法の析出》関係>、(B)<質的分析支援パソコンソフト>関係、(C)<質的分析に関連した理論的検討>関係の関連文献のうち、(A)と(C)、とりわけ(C)を中心にした検討作業を行なうことになる((B)は、若干の予備的情報収集作業の結果、そのウエイトを落とすことにした)。 2.本年度の成果は次の3つ: 【成果1】(C)関連のテーマを2学会で発表:第52回関東社会学会テーマ部会(04/06/20)で《‘理論的なもの'とどう向き合うか--ターゲット現象の把握との関連における‘理論的なもの'の位置--》を、また第1回日本質的心理学会大会シンポジウム(04/09/11)で《GT法の分析的ポテンシャル》を、各々、発表; 【成果2】説得論・レトリック論が(C)関連のテーマの一環として位置づくことを発見したこと:より具体的には、質的分析結果の‘提示'の議論との関連で注目すべき研究領域として、ということ; 【成果3】本研究の中心的主題を《‘ターゲット現象'論展開のための主要テーマ群》の検討という形で定式化できたこと(ここで‘ターゲット現象'と言っているのは、<研究者が自分の研究テーマとの関連で焦点に置こうと考えている中心的現象のこと>):これは、今年度の最大の収穫と言っていいもの。これで、次年度以降の見通しが基本的に立つことになる;‘主要テーマ群'には、‘ターゲット現象'の概念化の仕方をめぐる問題群を扱う<概念化>論を始めとして、<類型化・位置づけ・設定正当化>論、<推論>論、<分析・解釈の方法>論、<‘全体'産出>論、<分析枠組み>論、<提示>論などが含まれる;
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