1.平成17年度も、前年度に引き続き研究実施計画で触れておいた(A)<《分析技法の析出》関係>、(B)<質的分析支援パソコンソフト>関係、(C)<質的分析に関連した理論的検討>関係の関連文献のうち、(A)と(C)、とりわけ(C)を中心にした検討作業を行なった((B)は、そのウエイトをさらに落とすことにした)。 2.本年度の成果は次の4つ: 【成果1】「研究ノート<二重のワナ>と『質的研究の基礎-グランデッド・セオリー開発の技法と手順 第2版』」の公表(『看護研究』、第38巻、第4号、pp.65-69;これは(A)関連のテーマの一環としての研究成果); 【成果2】「GT法の分析的ポテンシャル」の公表(『社会志林』、第52巻、第3号、pp.47-75。;(C)関連テーマ; 【成果3】社会科学基礎論研究会(第13回)合評会(05・12・17;大正大学)で《「(竹中版)草稿モデル」は『科学的心理学草稿』の議論をどこまで把握したことになるのか-「同時性による連想」論と「副次備給」論の位置づけ、並びに「現実指標」論関連の議論の検討を通して-》を発表。これは(C)関連のテーマ; 【成果4】前年度の実績報告書で、<本研究の中心的主題を《‘ターゲット現象'論展開のための主要テーマ群》の検討という形で定式化>しておいたが、今年度は、その後の思索作業の結果、この主題が実はぼくの開発した中心的分析手法である事例媒介的アプローチ(=CM法)のさらなる展開・精緻化に密接に関連したものである、という点を再認識することになる。つまり、先の中心的主題は《CM法的事例分析をやっていくために詰めておかなくてはならない理論的・方法論的諸問題の検討》と位置づけ直すことができるものであり、現在、《概念化論;事例研究論;分析枠組み論;理論と方法論;歴史と理論;比較歴史分析論;<構造とエージェンシー>論》などの主要な関連テーマ領域での諸業績の批判的検討という形で研究を継続中;
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