研究課題/領域番号 |
15530344
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
松島 浄 明治学院大学, 社会学部, 教授 (10062176)
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研究分担者 |
塩月 亮子 日本橋学館大学, 人文経営学部, 専任講師 (90297979)
与那覇 恵子 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (00220757)
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キーワード | 沖縄文学と女性 / 沖縄のシャーマニズム / 制度論的アプローチ / 政治的コードのの優位 / 日本語文学 / 文学する者の主体性 / 文学者の社会参加 / 文学作品の独創性 |
研究概要 |
1、研究分担者の与那覇恵子は「大城文学に描かれた女性像」という論文を書いている。 そこで大城の「亀甲墓」という作品の「ウシ」ばあさんにふれて、「エネルギー溢れる沖縄らしい女性像の原型が描き出されている」と指摘している。ウシばあさんは現実の困難な状況に合理的に対処するとともに常にお元祖とともに生きることによって祭祠を担う役割を課された女性として描かれている。 2、研究分担者の塩月亮子は「インターネットにみる日本の伝統的シャーマニズムと癒し」といった論文で最近の若手のシャーマンたちがパソコンでホームページを作成し、悩み相談や占いを始めていることを紹介している。その際でも日本の伝統的シャーマンは「地元の聖地」に触れることの重要性を説き、癒しや救いを求める人々にその現場に行くことを勧めるのが特徴的であると分析している。 3、研究協力者として参加している加藤宏(明治学院大学非常勤講師)はその論文「<沖縄文学>場の研究(1)-「新沖縄文学」を手掛かりとする制度論的アプローチ-」において、池上永一などのエンターテインメント・マジック・リアリズムのような小説が沖縄に少ない理由を、「政治的コード」の優位の中で、普遍性を基準とした「日本語文学」を志向しているという文学観があったことを分析している。 4、研究協力者の武山梅乗(明治学院大学非常勤講師)は「主体性をめぐる闘い」という論文において、「文学する者の主体性」をめぐって、新川明と大城立裕という二人の文学者、思想家の論争を分析し、前者の主張が「文学者の社会参加」と作品との関連で生じてくる自己の責任意識の問題であるとすれば、後者のそれは作品の「独創性」の追及にあったことを論証している。
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