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2004 年度 実績報告書

現代沖縄文学の制度的重層性と本土関係の中での沖縄性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530344
研究機関明治学院大学

研究代表者

松島 浄  明治学院大学, 社会学部, 教授 (10062176)

研究分担者 与那覇 恵子  東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (00220757)
塩月 亮子  日本橋学館大学, 人文経営学部, 助教授 (90297979)
キーワード沖縄文学 / 制度的重層性 / 文学同人誌 / 新沖縄文学 / 文学的正当性 / 沖縄シャーマニズム / 西洋近代知 / 民俗知
研究概要

まず研究分担者の塩月亮子は「社会病理と沖縄シャーマニズム-不登校児童生徒とその親のための相互扶助共同体の事例から-」という論文において、1970年代の本土復帰以降、急速な近代化が進んだ沖縄では、本土と変わらない社会病理-非行やいじめ、ひきこもり、うつ病や自殺者の増加-が深刻な問題となっており、それに悩む本人や家族が選択肢のひとつとしてシャーマン=ユタに接触・依存するケースが多くみられるようになったと言っている。そこで不登校児童生徒やその家族が沖縄シャーマニズムを用いて家族関係を再構築し、不登校に対する価値観や態度を転換させ、相互扶助ネットワーク作りを行い、社会的位置付けを回復させていく様相を分析している。ここでは西洋近代知をもつカウンセラーとは異なる民俗知という視点からアドバイスをするシャーマンの活用という選択肢もあることを明らかにしている。
また研究協力者の加藤宏と武山梅乗は「沖縄における文学同人誌研究」という論文において、アンケート調査や継続的な文学同人への聞き取り調査を踏まえて、1950年代の多様な同人誌の登場と文学者たちとの遭遇は、文学的正統性の承認をかけた競合・闘争の動きであり、同人誌は、<沖縄文学>場に正統的書き手を送り出す装置として成立していたと指摘している。そして1970年代に入り、各種文学賞が制定されるに従い、「新沖縄文学」という商業誌を中心にして正統性の基準が確立していくが、文学的方向性は社会性を離れ、個人化して行くなど多樣性を見せつつ、<沖縄文学>場を活性化していったと分析している。また文芸活動の社会組織については、「従来型の同人誌」と「短歌・俳句型の同人誌」と「文花協会系の総合文芸誌」の三つに分類されるが、これらの多様な文学場の活動をとうして、書き手たちの多くに<沖縄>なるものを掘り起こすという使命感が共有されていると考察している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 社会病理と沖縄シャーマニズム-不登校児童生徒とその親のための相互扶助共同体の事例-2005

    • 著者名/発表者名
      塩月亮子
    • 雑誌名

      日本橋学館大学紀要 第4号

      ページ: 85-93

  • [雑誌論文] 沖縄における文学同人誌研究2005

    • 著者名/発表者名
      加藤 宏, 武山梅乗
    • 雑誌名

      明治学院大学社会学部附属研究所年報 第35号

      ページ: 59-74

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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