研究課題/領域番号 |
15530344
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
松島 浄 明治学院大学, 社会学部, 教授 (10062176)
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研究分担者 |
与那覇 恵子 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (00220757)
塩月 亮子 日本橋学館大学, 人文経営学部, 助教授 (90297979)
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キーワード | 戦後沖縄文学 / 深層意識としての沖縄的なもの / 沖縄女性の表象 / シャーマニズム / ユタ文学 / 占領下と基地の町 / 世界の再魔術化 / 貴種流離譚 |
研究概要 |
研究代表者の松島 浄は「山之口獏論-『思弁の苑』を読む-」という論文で、「文学にとって<沖縄的なもの>とはなにか」という難しい問題へのアプローチを試みた。それは沖縄出身で東京で活躍した詩人の詩集を分析することによって、その詩人の中に潜在していると考えられる「深層意識としての<沖縄的なもの>」を解読したものである。 研究分担者の与那覇恵子は「女性像から見た<戦後沖縄文学の表象>の分析」というテーマで調査・研究をすすめてきた。具体的には「戦後沖縄女性のアイデンティティ」と「占領下と基地の町の女たち」という二つの視点から幅広く小説作品を分析し、「疎外された位相にある沖縄女性」の社会的現実を鋭く考察しようとしている。 もう一人の研究分担者の塩月亮子は文化人類学の視点から沖縄のシャーマニズムと文学との関係を考察してきたのであるが、今回「伝統的なノロ文学から現代的なユタ文学へ」という極めて斬新な発想で、両者の関係を分析している。また「カミダーリ文学」という大胆な着想での展開もなされていている。そこからモダニズムが持っている二項対立図式への懐疑と「世界の再魔術化」というこれまた重要な研究をまとめている。 とくに二人の研究分担者の研究は2005年11月19日に沖縄で沖縄国際大学南島文化研究所との共催でおこなった第27回南島文化市民講座「文学からみた沖縄の戦後60年」で研究発表されたものである。当然上記三つの調査研究は2006年4月の「研究成果報告書」に掲載されるものである。 またこれと関連した公開イベントとして2005年11月5日に東京の明治学院大学において「沖縄の詩の現在・詩人たちの島-沖縄について東京で考える-」というシンポジウムを開催した。この時の記録も上記の研究成果報告書に掲載されることになっている。
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