研究課題/領域番号 |
15530345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浦野 正樹 早稲田大学, 文学学術院・文学部, 教授 (20160335)
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研究分担者 |
臼井 恒夫 早稲田大学, 人間科学学術院・人間科学部, 教授 (10193872)
横田 尚俊 山口大学, 人文学部, 助教授 (10240194)
下村 恭広 玉川大学, 文学部, 講師 (00350372)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 地域社会 / ・村落・都市 / 環境社会学 / Environmental Sociology |
研究概要 |
本研究は、リサイクル活動に関わる多様な担い手の実態とそれらの相互の関係をつかむことを目的とし、再生資源卸売業者の歴史と実態、およびリサイクルを主軸とする地域社会づくりを進める市民団体を主な分析対象とする。これまで、(1)大都市における再生資源卸売業の集積地域に関する調査(東京都荒川区東日暮里地区における故繊維産業集積地、東京都足立区関原・本木地区における資源回収業集積地域)、(2)先進的な地域リサイクルシステムを作り上げている自治体と市民団体(東京都北区、香川県善通寺市など)、(3)産業廃棄物不法投棄問題が生じた地域社会(香川県土庄町豊島)の三つについて調査を進めた。 (1)再生資源卸売業の集積地域の調査では、複数の業者に対する継続的な聞き取り調査を重ね、かつて故繊維産業が集積していた東日暮里地区における産業集団としの故繊維産業の実態や、本木地区に集積していた、拾集人や建場業がどのような地域的文脈に基づいて活動していたのかを確認した。 (2)リサイクルを核とした地域社会づくりとしては、先進的な事例として東京都北区及びそのリサイクル施設の運営団体、香川県善通寺市の資源回収活動における行政と地域住民組織との役割分担について調査した。その結果、他の特別区に先駆けてユニークなリサイクル政策を実現した背景として、町内会などの既存地域社会に深く根ざした市民団体の活動の歴史的厚みと、それらの団体が行政当局と再生資源業者との提携をスムーズに行えたことの二点を析出した。 (3)香川県豊島の調査では、産業廃棄物不法投棄場の視察と、歴史的経緯に関する資料収集、住民運動のリーダーに対する聞き取り調査を実施し、過疎地域においてこうした問題が生じる背景を把握した。また、産業廃棄物問題からの地域社会の再生戦略が、過疎地域における持続可能な経済システムの構築という課題を持っていることを確認した。
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