平成15年度は、以下の2つの調査研究を行った。 一点目は、若手と中堅のソーシャルワーカーを対象とした、力量形成の過程についての聞き取り調査の実施と、そこから力量形成の契機を抽出することである。 具体的には、社団法人日本社会福祉士会に所属する、(1)福祉の仕事に携わり3年以上5年未満の20代半ばのソーシャルワーカー10名と、(2)福祉の仕事に携わり10年以上経過している30代後半の9名についての聞き取り調査を行った。30代については、今後1名の調査を計画中である。 現時点では、それぞれのインタビュー結果から、その人の生活史をまとめ、力量形成を促した契機を表としてまとめる段階まで行った。 二点目は、若手と中堅の医療ソーシャルワーカー各5名を対象とし、同一の事例を検討することで、そこで話されたコメントの違いを導き出すことである。 具体的には、埼玉県医療社会事業協会に所属する、(1)医療ソーシャルワーカーとしての経験年数が3〜4年の人5名と、(2)医療ソーシャルワーカーとしての経験年数が13〜16年の人5名を対象に、それぞれに事例検討の場を設けて、2〜3時間の事例検討会を開催した。現時点では、そこでの発言内容を録音し発話記録を作成し、特徴を抽出する作業まで行った。 次年度は、以上の調査結果を基にして力量形成支援システムの検討を行い、積極的に学会発表、論文作成を行う予定である。
|