本年度は、3年間の研究の最終年度として、認知症ケアの最新動向である統合的ケア・包括的ケアについて、その基本的な原理や仕組みについて文献研究を中心に進めるとともに、認知症クライアントの抱える福祉的主訴の捉え方、自律と自立のメカニズム、予防的ケアの重要性などにつき、理論化する作業を中心に実施した。また、成果を公開に付す作業にも積極的に取り組んだ。 具体的には次のとおりである。 (1)成果の国際会議での公開 (1)2006年1月24日にフィンランド・ラウレア応用科学大学で開催された「在宅ケアシステムの革新」に関するワークショップにおいて成果を報告し、コメントを受けた。 (2)2006年3月6-7日に仙台において開催された第1回仙台フィンランド学術会議において「ケアにおける公正性」のタイトルで成果を報告し、コメントを受けた。 (2)学術雑誌その他に、成果を基にした論文を執筆した(様式7-1-1参照)。 (3)上記(1)(2)への準備作業として、高齢者の認知行動メカニズム、環境心理学の主訴理解への応用可能性、統合的・包括的ケアの有効性等に関連する内外の主要な文献の分析を進めた。
|