介護保険制度の施行後、介護支援専門員から「クライアントのニーズに即したケアプランが立てられない」「介護保険のアセスメント表ではクライアントの意向がくみ取れない」などの声が挙がると同時に「クライアントとかかわることが難しい」「接近が難しいクライアント」の声も挙がっており、これらの問題に対して具体的な解決策のないまま援助にあたっているのが実情である。本研究において、研究者は介護支援専門員がどの程度クライアントの直面している問題やその背景を考慮してケアプランをたてているのかということと、介護支援専門員が「困難」と感じる事例には相関があるのではないかと着目した。 そこで15年度では、研究者がすでに行った事例検討において提出された介護支援専門員の事例を3つの地域から一定数抽出し、ひとつひとつの事例を各研究者が読み込み、クライアント側のファクターと介護支援専門員側のファクターから抽出し、分析を試みた。 その分析をもとにディスカッションを行い、クライアント側、介護支援専門員側のファクターに見られる特徴からカテゴリー化を行った。 そして、その妥当性について、現在50事例を抽出し、検討を行っている。
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