平成15年度は、初めての妊娠出産を迎える男女が持っている知識、技術、経験等の実態を明らかにしていく作業と、子育て中の男女自身が妊娠、出産、子育てをしている過程の中で必要だと感じている知識、技術、経験等の内容を明らかにしていく作業を同時に行っていった。 方法として、東京都西東京市保健センターの協力を得て、平成15年5月および6月に、出産前アンケート(両親学級、母親学級参加者71人)、出産後アンケート(3・4ヶ月健診176人、6ヶ月健診165人、1歳6ヶ月健診129人合計470人)、を実施し、集計分析した。その結果、初めての妊娠出産を迎える男女の子育てに関する知識や技術の現状や出産後の父母が抱える問題の現状を把握することが出来た。分析については次年度も継続して行う予定である。 次に、妊娠期から出産後も継続的に子どもを育てることへの支援が行われている場合と出産後に子どもを育てることへの支援が始められた場合に子育てをしていく上で違いがあるのか明らかにしていくための調査を行った。 方法としては、現在妊娠中の親への体験学習の場を提供し、継続的に子育てへの支援をしている熊本市の民間保育所を訪問し、出産前の子育て支援内容、支援後の子育ての支援内容および参加者の様子などのヒアリング調査をおこなった。また、出産前から出産後の継続的な支援を受けている親、出産後から子育て支援を受けている親など当事者に対して子育てへの状況などヒアリング調査をおこなった。結果の分析などについては次年度継続して実施する予定である。 なお、東京都北区で取り組まれる妊娠中の母親が保育所で子どもの育ちや子育て方法を学ぶプログラムの存在を発見し許可を得て参加した。どのようなかたちでこの事業を研究に取り込むことができるかについては未定である。 研究協力者として出川聖尚子(白鴎短期大学非常勤講師)、上田美香(東洋大学杜会福祉実習助手)の参加を得た。
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