研究課題
1.研究の経過日本福祉大学に在籍する約9000名の学生のうち、150名余が何らかの身体機能の障害を有している(以下、「障害学生」と記載)。このような学生の社会福祉実習教育ニーズの現状分析や教育支援システムを検討するため、本研究会は設置された。平成15年度、16年度の2年間にわたって実施した調査は以下の通りである。(1)障害学生本人からのヒアリング(2)障害学生の実習受け入れ先からのヒアリング(3)障害学生OBからのヒアリング(4)障害学生OBの雇用主からのヒアリングまた、本研究の成果を共有するため、本学の大学祭企画(2004年11月12日)として「障害学生実習シンポジウム〜「実習を通して社会福祉専門教育を受ける機会」の保障のために〜」をテーマとし、障害学生・実習受け入れ先・養成校教員の三者によるシンポジウムを開催した。2.研究の成果ヒアリングの分析結果から、障害がある故にある特定の実習内容を避けるというよりも、どうすれば本人の設定した実習課題に取り組むことができるか、を検討ことが重要だと認識できた。それに付随して、障害学生本人・実習担当者・実習先の利用者・大学関係者という「4者関係」においては、障害をもつ学生が社会福祉士を目指して実習を行なうという意味の「問い直し」、障害者観の再構築を図るプロセスが共有できることがわかった。