研究概要 |
平成15年度から平成18年度までの本研究における実績の概要は次のようになる。 1、岡山孤児院の養護実践等を担保した生活空間(家庭舎)などの形成過程と同院の養護実践の中核である「岡山孤児院十二則」の形成過程他を14編の論文にまとめ、それらを合本し、科学研究費助成金の研究成果報告書を作成した。 2、明治20年代後半から岡山孤児院が解散するまで(一時退職したが)職員をしていた末藤新市の大正期の日誌を解読した。また、それ以前に解読した日誌などを含め計8編の日誌等を『末藤新市日誌と彼の行動記録』としてまとめ、今後の職員史研究の基礎資料を作成した。 3、大正期の岡山孤児院の農場学校卒業生の日誌2冊を解読し、利用者(当事者)の人間形成における岡山孤児院の養護実践の影響を解明する基礎資料をまとめた。ただし、この農場学校卒業生の日誌は、まだ6冊残っており今後も解読を進めていく必要がある。 4、岡山市内の児童養護施設に残る岡山孤児院の旧家庭舎を実測調査し、その建物の平面図や立面図を作成し、各部屋の使われ方や機能的な平面計画についてまとめた。 5、石井十次資料館にある岡山孤児院関係の手紙類の目録作りの作業に協力し、同院の人的ネットワークの解明の準備を行った。 6、石井十次資料館所蔵の岡山孤児院関係の写真類約2,000枚を整理するため、その分類項目を決定し、大まかな分類を実施した。また、一部重要な写真を集め、岡山孤児院の実践を視覚的に理解する教材を作成した。
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