研究課題/領域番号 |
15530398
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
上市 秀雄 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (20334534)
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研究分担者 |
楠見 孝 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70195444)
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キーワード | 逸脱行動 / 規範意識 / 情報呈示 / 後悔 / 著作権 / コピーコントロールCD |
研究概要 |
現在、音楽CDや映画DVDなどの違法コピーが行われ、著作権が侵害されている。音楽CDに関しては、対策として各レコード会社は、コピーコントロールCD(以下CCCD)と呼ばれる違法コピーを未然に防ぐ特殊なCDを開発し、販売している。しかしCCCDに関する情報は消費者のもとに十分には届いていない。そこで本研究ではCCCDに関する情報提示および消費者の規範意識が、CCCDに対する認識や違法コピーに対する認識に及ぼす影響を心理学的に検討した。 方法 大学生133人(男性105人、女性28人)に対して質問紙調査をおこなった。最初に規範意識(道徳、遵法意識、マナー)、CCCDに関する意識、違法コピーに関する意識を測定した。次に、CCCDに関する3種類の情報(ポジティブ強調情報(CCCDで著作権が守れる、アーティストのモチベーションが保たれる、しかし再生できないことがある)、ネガティブ強調情報(CCCDはCDプレイヤーで再生できないことがある、再生できないときの保証はない、しかし著作権は守られる)、ニュートラル情報(ポジティブ、ネガティブ両情報を提示))を別々の被験者に提示した。最後に再び、CCCDに関する意識、違法コピーに関する意識を測定した。 結果 分散分析の結果、ポジティブ強調情報、ネガティブ強調情報、ニュートラル情報に関係なくCCCDに関する情報を提示するだけで、CCCDや違法コピーに対する意識を高めることができることが示された。また、個人の規範意識や情報提示の仕方によって、CCCDや違法コピーに対する意識に差が生じることが認められた。たとえば、遵法意識の高い人にCCCDに関するポジティブ強調情報を提示すると、CCCDの必要性を認識させることができることが示された。ただし、実際に違法コピーをしている人に対しては、どの情報を提示しても、違法コピー行動をやめさせる効果は認められなかった。よって、今後は違法コピー行動を変えさえる情報提示方法および内容を検討する必要がある。
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