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2003 年度 実績報告書

集団間関係がリーダー出現およびリーダーシップ効果性に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 15530400
研究機関広島大学

研究代表者

坂田 桐子  広島大学, 総合科学部, 助教授 (00235152)

キーワード集団間関係 / 内集団プロトタイプ性 / リーダー / 集団アイデンティティ
研究概要

本研究は,他集団との関係という状況要因が,リーダーの勢力や効果性に及ぼす影響について検討するものである.本年度は,集団間関係がリーダー出現に及ぼす影響について,その認知過程を詳細に検討した.
実験室集団でリーダー候補者情報を操作した実験1では,次のことが見いだされた.(1)外集団の有無にかかわらず,一般的にリーダーに必要とされる能力を高度に備えた候補者は,備えていない候補者より,リーダーとして適切だと認知され,被選択順位も高かった.(2)外集団と対立していて集団アイデンティティが高まっている状況では,内集団プロトタイプ性(外集団との差異と内集団との類似性によって規定される集団らしさ)の低い候補者より高い候補者の方が適切性を高く評価され,被選択順位も高い傾向にあった.
場面想定法による質問紙実験を用いて,リーダーの内集団プロトタイプ性を操作した実験2では,次のことが見いだされた.(1)外集団との対立状況において,内集団プロトタイプ性高リーダーは,低リーダーより影響力が大きいと認知されていた.(2)集団アイデンティティ高群ではリーダーのプロトタイプ認知と影響力認知およびリーダーとしての適切性認知が有意な正の相関を示したが,集団アイデンティティ低群ではプロトタイプ認知と適切性認知の間に相関はなく,影響力認知との相関も低かった.(3)対立している外集団との交渉課題場面では,リーダーの指示の受容度を決定するのに,リーダーの能力より内集団プロトタイプ性が重視されていたが,対立外集団と関わらない集団内課題場面では,プロトタイプ性より能力が重視されていた.
以上の結果は,集団間対立状況が集団アイデンティティを高め,それが集団成員性の重視につながり,プロトタイプ性の高いメンバーの影響力を高めるという過程の存在を示しているが,同時に,課題によってリーダーの評価基準が変化することも示唆している.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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