研究課題/領域番号 |
15530412
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研究機関 | 京都学園大学 |
研究代表者 |
有馬 淑子 京都学園大学, 人間文化学部, 助教授 (40175998)
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研究分担者 |
柿本 敏克 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (70269257)
行廣 隆次 京都学園大学, 人間文化学部, 助教授 (60240628)
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キーワード | 社会的共有認知 / 集団過程 / CMC / ネットワークゲーム |
研究概要 |
平成15年度は、平成14年度科研の実験結果を統計的に検討するために、データの集積を行った。そのために、9名までしか参加できない実験室状況を18名まで参加できるように拡張する施設整備を行った。平成14年度中に制作したゲームファイルを用いてデータの集積を行った。また、メディア教育センターで開発された対人相互作用画像分析システムchaoを用いて、ゲーム過程のチャットログを画像を同期させながら分析する試みが行われた。しかし、ゲーム過程の画像を外部機器に出力しないで、パソコン内部で記録するとゲームパフォーマンスが落ちるため、記録方法について改良が必要である。この記録・分析システムはさらに平成16年度にさらに開発を行う予定。 また、FTF(対面場面)ゲームとNRPGゲームの差を検討することを目的として、FTFの模擬社会ゲーム(Gamson、1990)を実施した。公的・私的自己意識が模擬社会ゲームとNRPGゲームに及ぼす影響の比較、そして、模擬社会ゲームとNRPG状況における社会的リアリティの認知の比較を行った。結果は分析中。 平成15年度に新たに計画した研究として、コンピュータ・コミュニケーションを使用した討議実験が実施された。これは、NRPGとしてではなく、模擬陪審員状況を用いた社会的共有認知の実験として行われた。共有情報量(高・低)×情報の種類(有罪方向・無罪方向)の4種類の情報紙を用意し、4名の討議メンバー間にそれぞれの情報紙を与えて、発言量、チャットログの内容、討議後の対人認知に与える影響を分析した。実験の結果、集団決定の方向に逆らう非共有情報を多く所有していたメンバーは影響力が低いが、その原因がメンバーのパーソナリティと認知されていた。チャットログの内容分析は続行中で、共有情報と非共有情報がチャットログ中に出現した後の反応確率、反応時間、発言内容の違いなどを量的・質的に分析する予定である。
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