本研究は、大学教員の異文化間トレランスの発現の様相や程度に影響を及ぼすさまざまな要因及び要因間の複合的関係を日米で比較検討し、教員の異文化受容のための資質や能力、態度の普遍性と、環境要因の相違による異文化間トレランスの発現の特殊性を明らかにするものである。 平成16年度は、大学、短大、コミュニティカレッジ等におけるアメリカの大学教員を対象にDepth Interviewの手法を用いた個別面接調査を行なった。、個別面接は、教員個人のethinicity、raceやnationarityの異なる学生との間で生じる異文化状況での行動様式、価値観の相違、意思疎通の困難、摩擦、トラブルなどストレスフルな状況の経験の有無、ストレスイベントの強度、ストレスの程度、ストレス感受性、ストレス状況への認知や対処方略について、また、パーソナリティ、コミットメント、信念、異文化への興味・関心といった個人内特性や、生育環境をはじめ、個々の教員をとりまく社会環境要因を中心に聞き取りを行った。 面接調査の内容はすべて記録され、その記録をもとに、まず異文化葛藤状況での教員の心理的プロセスを分析し、異文化間トレランスの発現の様相や程度に影響を及ぼすと思われるさまざまな要因および要因間の複合的関係を考察した。
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