研究分担者 |
吉田 和典 福井大学, 医学部, 助教授 (50143938)
堅田 明義 金城大学, 社会福祉学部, 教授 (60015435)
藤澤 清 仁愛大学, 人間学部・心理学科, 教授 (50020087)
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部・心理学科, 講師 (90340033)
保野 孝弘 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (80238766)
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研究概要 |
本年度の主な目的は,高齢者および知的障害高齢者の生活実態と生活動作および認知能力などの心理的側面の把握と,同対象における意識現象の老化メカニズムの検討を行うことであった。 まず,高齢者および知的障害高齢者の生活実態と生活動作の把握については,研究メンバーが長期間にわたって実際に関与してきた事例を対象に,生育歴・病歴等,家族のニーズ,居住地域の医療・福祉機関とその利用実態の4点を中心に,これまで蓄積してきた諸資料をもとに遡及的に分析し,生活実態と,生活環境とニーズの関連性について問題を把握し,本研究の検討課題と分析視点の明確化をはかった。さらに,具体的生活動作の総合的把握については,動作量測定装置(アクチグラム及び分析装置一式)を用いて,日中の活動量を数日間にわたり,連続記録し,各対象者の活動量及び活動リズムを測定した。その結果,活動量の分布に大きな個人差は認められず,日常生活への適応を示唆する結果が得られた。 さらに,養護および特別養護老人ホームに暮らす高齢者を対象に,覚醒時および睡眠ポリグラフ記録を行い,後者に関しては終夜睡眠経過について検討を行った。そして先の課題で計測した日中の活動量とのリズムの関連性について検討を行った。また,睡眠ポリグラフデータを視察により検討し,各睡眠変数(深睡眠・REM睡眠量など)を求めると共に,脳波のスペクトル解析を行い,高齢者の生活実態や具体的生活動作パターンおよび高齢者の意識の変動過程を総合的に検討した。その結果,より高齢な対象者になると、外観的な老化の進行が著しくなり、運動機能や活動動力が低下することが認められた。しかし、脳波の優勢成分のピーク周波数などに関しては、加齢にともなう大きな相違は認められなかった。
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