研究概要 |
<目的> 子どもの思春期への移行に対する母親の認知,子どもに対する養育態度,および心理的ストレスを面接調査によって測定する。また,母親の子どもに対する態度や心理的ストレスの状態が子どもの有能感,心理的適応,母親とのコミュニケーションスタイルとどのように関連しているのか検討する。 <方法> 調査対象 中学1,2年生の子ども男女25名およびその母親25名 調査実施時期 2004年8月から2005年3月 調査内容および方法 子どもに対しては質問紙(郵送による回収)を用いて,有能感,心理的適応,母親に対するコミュニケーションスタイルについて測定した。また,母親に対しては,面接調査により,(1)子どもの思春期的発達変化および成長に対する認知,(2)子どもに対する養育態度,子育て観,(3)子どもとの関わり(相互作用)における困難さや葛藤(心理的ストレス)およびその解決方法,について質問した。さらに,質問紙により親子の双方向のコミュニケーションスタイルについて測定した。 <結果> 母親の子どもの思春期への移行に対する認知は多様であり個人差が認められた。この個人差の背景にある要因の整理は今後の課題である。また,上記の母親と子どもの心理的特徴は幾つかの点で有意な相関関係があることが見いだされたが,相互作用の中で互いに影響を与え合っている可能性が示唆された。
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