研究課題
基盤研究(C)
研究開始当初に挙げた研究目的を以下のように要約しなおして、研究成果をまとめる。「現代青年の心の問題についての研究」:我々は、現代青年の心の問題の中で、様々な問題行動につながりやすい症状を対象として、早期発見、適切な治療プログラムへの導入が可能になるような心理診断、心理アセスメントについて検討を行ってきた。本研究で取り上げた問題の1つは、高機能広汎性発達障害の問題であり、そしてもう一つは、問題行動を起こしやすい「解離症状」である。本研究では、これらについて、全員での検討と国内外での学会発表を行ってきた。現在、その成果を学術論文に執筆中である。「家族関係を中心とした現代青年の対人関係についての研究」:高橋は、統合失調症を病む青年との心理療法過程を、学術論文として発表した。さらに研究協力者と共に健常青年の親子関係の問題についての研究も行ってきた。また、学会において事例の治療経過に対して、家族心理アセスメントの視点から提言を行った。さらに高橋と共に研究協力者の寺崎、西は、第18回国際ロールシャッハ学会に参加し、新しい人格検査として開発されたFTT(Fairy Tale Test)の資料収集を行った。これは児童に対する対象関係の理解が中心のアセスメントである。「心理アセスメント技術の教育に関する研究」:森田・中原によって研究論文にまとめて成果を発表した。また、高橋及び研究協力者らの共同調査によって、ロールシャッハ法の学び方について研究をまとめた。そして、心理アセスメント教育について、高橋、森田、中原は、大学の学部、大学院、及び大学院の修了後教育として実践活動を行ってきた。
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