前々年度、および、前年度より行なっている、ラテンアメリカ日系人に対する、心理/パーソナリティテスト施行と面接調査、森田療法アプローチを、継続実施した。 すでに2年間である程度の資料が得られているため、今年度と次年度は資料の整理とまとめのためにも、ある程度の時間をさく計画とし、上記の各調査はむしろ人数をしぼりつつ、進めた。神経質調査表を送付し(男女各20名)、返送されたなかで、信頼性の高い16名(男性7名/女性9名)に、MMPIのスペイン語版かポルトガル語版を送付、回答の得られた12名(男性5名/女性7名)を、今年度の対象者とした。MMPIと神経質調査表の結果を総合し、内容を検討したうえで、対象者に構造化された面接を実施、資料の集積を進めた。 すでに、前年度までの結果で明らかになりつつあったことであるが、やはり、日系人は日本人のパーソナリティに近い面がみられると考えられる。すなわち、日系人への森田療法アプローチが有効であることを示す資料が集まりつつある。 一方で、意外な結果も出てきているのは、日系人の心理/パーソナリティ調査の結果が日本人の結果よりも、むしろ値が高いという点で、これは、最近いわれる、日本人の心理/パーソナリティの変化を示す調査にもなりうるのではないかと考えつつあるが、諸資料を総合してさらに検討すべきことであろう。現時点において、調査の成果は十分得られてきていると思われる。
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