平成15-18年度の間、上記のテーマで調査研究を行なった。当初の計画に基づき各年度対象者50名を目処に4年間実施した結果として、神経質調査表回答者193名の中からセレクトした106名(男性51名/女性55名)へMMPIを送付し、回答の得られた89名(男性42名/女性47名)に対して、構造化された面接を実施した。面接資料を集積しつつ、最終対象者50名(男性25名/女性25名)をセレクトし、森田療法アプローチを行なった。 これらは、神経質調査表とMMPIの結果から、上記のアプローチが適すと考えられ、また、本人の同意の得られたラテンアメリカ日系人で、定期的に面接しつつ、神経質傾向に焦点をあてながら、日本在住に関わる適応面での状況も考慮し、森田療法アプローチの効果を検討していった。 統計調査結果として、意外なラテンアメリカ日系人の側面が明らかになったが、それは、現代日本の若者と比較した場合、日系人の方がより神経質的という点であった。面接調査でもこの点は裏書きされ、上記アプローチの効果についても、個々のばらつきはあるものの、全体としてその有効性が認められている。 日系人の多くは神経質パーソナリティを現代でもなお保持している面があり、その点で、森田療法アプローチの対象としては、むしろ、日本人よりも適しているとも考えられる。今後、この点にさらに焦点をあてた、調査研究を実施することの重要性を痛感している。
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