研究課題
基盤研究(C)
21世紀、多様性の時代に入り、さまざまなニーズをもった子どもに対して教育現場で臨床心理学の専門的協力を要請される面が濃くなっている。本研究は、多様性時代の学校現場における子どもの行動アセスメントと早期支援モデルのあり方を検討したものである。研究活動の基盤となったモデルはエビデンスベース臨床心理学における科学者-実践家モデルである。本研究は3年間に亘り1000名以上の児童を対象に行われた。行動アセスメントの多様な観察法を用いて教室で見られる不適切な社会的行動、学業行動の具体例を記録し解析した。支援度の高い児童群と低い児童群では、作成した行動チェックリストに含まれるすべての行動項目において有意差が認められた。行動アセスメントのデータにもとづき、学校巡回相談を行い、対象児童の多様な適応問題への早期支援法の効果を実証的に検討した。研究者は2002年に開始した神戸市「通常の学級におけるLD等への特別支援事業」に参加し、巡回相談と研究を常時行えるシステムの構築を検討した。「教員補助者」として13名の大学院生と一部学部生を毎年5つの小学校に配置して実践活動の指導を行った。この事業は神戸市教育委員会、小中学校、大学、専門機関、専門家チームが連携体制を築き、通常学級に大学院生もしくは大学生を「教員補助者」として配置し、大学教員指導の下、児童生徒の支援を目的とする長期的な企画である。さらに、日本における教育制度や家族文化的背景を考慮するため、多様性と文化社会的配慮に関する研究も合わせて遂行し、成果は論文、出版物、国際学会、国内学会において多数の発表を行った。また、研究で得られた学校支援に関する知見を現場の専門家に広めるために、学会のワークショップや教員を対象とした研修会および支援対象校の教員研修会や学校巡回相談において多角的に講習した。
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