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2003 年度 実績報告書

前頭連合野における記憶機構の大脳半球機能差に関する実験神経心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530472
研究機関福岡教育大学

研究代表者

永江 誠司  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20108418)

キーワードHERAモデル / エピソード記憶検索 / 意味記憶検索 / 前頭連合野 / 視野分割提示法 / 大脳半球機能差
研究概要

平成15年度の研究において検討したのは、Tulvingら(1994,2002)によって提唱されたHERAモデル(記憶の符号化・検索の大脳半球非対称性モデル)であった。それは、左半球の前頭連合野が意味記憶検索とエピソード記憶符号化に深く関与しており、また右半球の前頭連合野がエピソード記憶検索に深く関与しているというものである。このモデルに対して、本年度の研究では、前頭連合野におけるエピソード記憶検索と意味記憶検索の大脳半球機能差を視野分割提示法を用いて検討した。
実験1において、言語刺激と非言語刺激に対するエピソード記憶検索の大脳半球機能差について検討した。実験計画は、刺激(単語、絵)、媒体(言語、非言語)、視野(左視野、右視野)の2×2×(2)の要因配置であった。その結果、媒体×視野の交互作用に有意な傾向がみられ、言語媒体は右視野(左半球)優位であったが、非言語媒体は視野差のないことが示された。実験2において、言語刺激と非言語刺激に対する意味記憶検索の大脳半球機能差について検討した。実験計画は、刺激(単語、絵)と視野(左視野、右視野)の(2)×(2)の要因配置であった。その結果、刺激×視野の交互作用が有意であり、言語刺激が右視野(左半球)優位、非言語刺激が左視野(右半球)優位であることが示された。
実験1のエピソード記憶検索に関する結果は、言語性エピソード記憶検索は左半球優位であり、非言語性エピソード記憶検索は半球差がみられないことを示した。これは実験2の意味記憶検索に関する結果において、言語性記憶検索は左半球優位、非言語性記憶検索は右半球優位を示した結果とは、一部異なるものであった。これらの結果は、HERAモデルより機能特殊化説の予測を支持するものとして解釈された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 永江 誠司: "子どもの感覚と運動の発達と脳"福岡教育大学紀要 第四分冊. 53号. 281-293 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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