研究分担者 |
宮脇 郁 早稲田大学, 文学部, 講師
高橋 優 埼玉工業大学, 基礎教育センター, 講師 (10288029)
大藪 泰 早稲田大学, 文学部, 教授 (30133474)
宇根 優子 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90350462)
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研究概要 |
本研究(期間:H15〜H16年度)は,記憶・認知実験用絵画刺激(線画)の標準化を目的としている.すなわち,(1)国際的に使われているSnodgrass & Vanderwart(1980)の260枚の線画をベースにした具象線画の数の拡充,(2)無意味線画(droodle)の数の拡充,(3)線画属性の測定,(4)公開用データベース作成のためのシステム構築,の4点である.このうち,H15年度においては以下の成果を得た. (1)具象線画の数の拡充:現有の30カテゴリー,359枚の具象線画に新たに25枚の線画を加えた.描画上,過度の芸術的表現や写実的表現を避ける技量が要求される.そのためプロの画家に製作を依頼し,一定の基準を満たす線画を得た.従来の研究成果として,Snodgrass & Vanderwart(1980)のオリジナル線画のうち44枚を日本人向けに修正し,さらに99枚を新規に追加している.これら143枚のうち82枚に関しては.現在までに再度描画上の間題点を修正した.今回の25枚を加えると,実験に使える線画数は384(=260+124)故となり,目標の400枚に近づいた. (2)無意味線画(droodle)の数の拡充:現有の200対に,さらに76対を新規追加した。従来の手続きを適用し,再生・再認記憶テストを実施して記憶実験に適したセットを作成した。 (3)具象線画属性の測定:今回の新規25枚を除く359枚の具象線画に関して改めて,(a)命名潜時,(b)命名一致度,(c)熟知度,(d)獲得年齢,等の属性を測定した。この結果,Snodgrass & Vanderwart(1980)線画を用いた各国(アメリカ,フランス,イタリア,スペイン)の標準化データとの相互比較が可能となった.ただし,今年度は実験に要する時間の関係から,属性が測定できたのは全体の3分の2であった.
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