研究概要 |
本研究は,記憶・認知実験用線画刺激の漂準化を目的としている.具体的には,(1)国際的に使われているSnodgrass & Vanderwart(1980)の260枚の線画をベースにした日本版具象線画の拡充,(2)無意味線画(droodle)の拡充,(3)線画属性の側定,(4)公開用データべースの作成,の4点に関して以下の成果を得た. (1)日本版具象線画の拡充と属性の測定:総数359枚の具象線画について,(a)命名潜時,(b)命名一致度,(c)熟知度,(d)獲得年齢,(e)複雑性,(f)音韻的特性(モーラ),(g)イメージ多様性,を測定し,データべースとして公開した.この結果,Snodgrass & Vanderwart線画を用いた各国(アメリカ,フランス,イタリア,スペイン)の標準化データとの相互比較が可能となった. (2)無意味線画(droodle)の拡充:276対のdroodleから認知・記憶実験に適した対を選定し,実用的な実験刺激セットを作成した.また,droodleを認知機能のテストバッテリーとして使うために,droodleが有するイメージ喚起性を分析した. (3)データべースの公開:日本版具象線画について,以下のOn-line journalで公開した.Nishimoto, T. et al. 2005 Japanese normative set of 359 pictures. Psychonomic Societ Publications Journals On-Line: Psychonomic Society Archive of Norms, Stimuli, and Data(URL: http://psychonomic.org/archive/index.cgi).
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