3刺激oddball課題を用いた虚偽検出における興奮型countermeasure(以下CM)の効果を3つの実験を行って検討した。なお、本実験で被験者に行わせた興奮型CMは、特定の非裁決刺激(以下CM刺激)が呈示されればその呈示回数をカウントするというものである。このCMにより、裁決刺激よりも大きな振幅のP3がCM刺激に対して生起すれば、検出精度が低くなる危険性がある。本実験はこのCMにより、裁決刺激と非裁決刺激、CM刺激との振幅差がどのように変化するのか、検出精度が低下するのかを明らかにするために行われた。 第1実験では自己姓を裁決刺激に用いて、CM群10名NCM群12名でP3を指標に用いた虚偽検出を行った。第2実験では、大学名を裁決刺激に用いて、CM群11名NCM群11名でP3を指標に用いた虚偽検出を行った。第3実験では、大学名を裁決刺激に用いて、CM群14名NCM群15名でP3を指標に用いた虚偽検出を行った。 裁決刺激とCM刺激、それ以外の裁決刺激、標的刺激に対して生起したP3の区間平均振幅と頂点潜時を求めた。そして、裁決刺激とCM刺激、非裁決刺激に対して得られたP3振幅を比較し、裁決刺激に対して生起したP3が最大であれば検出成功という基準で判定を行った。また、P3を測定する際の課題として被験者に行わせていたボタン押し課題のRTを求めた。 判定の結果、第一実験ではCM群で40%、NCM群で75%の割合で検出に成功した。第2実験ではCM群で45%、NCM群で90%の割合で検出に成功した。第3実験ではCM群で28%、NCM群で67%の割合で検出に成功した。なお、P3とボダン押し課題のRTに関しては、現在、詳細にわたり分析中である。
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