研究課題/領域番号 |
15530492
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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研究分担者 |
長田 勇 愛知大学, 文学部, 教授 (60221157)
桜井 均 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (50119327)
石井 仁 盛岡大学, 文学部, 教授 (10193252)
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キーワード | 学校経営 / 学級経営 / 担任配置 / 学級編成 / 学級編成替え / 少人数指導 / 習熟度別編成 / 教育課程の編成実態 |
研究概要 |
1.わが国の小学校における担任配置方式及び学級編成方式の歴史についての実証的なデータを、さらに蓄積することができた。 学級担任配置は、一般的に「学年固定」、「担任持ち上がり」、「折衷法」の3種があるといわれているが、わが国近代の学校史において最初に現れたのは、落第制を前提とした等級制の下での等級固定配置であると考えられ、学年・学級制の成立以降も等級固定を学年に置き換えた学年固定法が基本形として広く採用されていたと考えられる。しかし、明治24年の学級制への転換以降、担任持ち上がりが学級担任配置の理想型と考えられるようになっていった。戦中・戦後にかけての教員の人材難や戦後の民主化による平等要求の高まりによって担任持ち上がり法は維持しがたくなったが、担任持ち上がり法の教育理念である「人間関係の調整」「人間関係を通しての人間形成」は戦後も継承され、今日の「特別活動」に代表されるカリキュラム領域において追求されるようになった。 その成果の一部は、2004年8月に兵庫県(関西学院大学)で開催された日本特別活動学会で発表した。また、裏面に示したように、学会誌の寄稿論文として掲載されることが決まっている。 2.9月18日から21日にかけ松本市市立図書館にて、旧開智学校に関する文書類(出欠簿、学籍簿等)に基づき、学級担任の配置方式の変化について大正中期までのデータを収集し、学級担任配置について持ち上がり方式が大正前半期に現れていたのではないかという仮説を得た。 3.担任配置及び学級編成・学習集団編成に関する調査票を回収。879校から回答を得(39.9%)、有効回答は831校であった(37.8%)。3月14日から17日の調査・研究打合会で京都市立学校歴史博物館や特別活動研究者(びわこ成蹊大学教授・山口満氏)等からの資料収集とともに各自分担の集計結果の総合、調整を行い、第一次集計を完成させた。本調査では、学級担任の配置、学級編成替えの周期、少人数指導・習熟度別指導、特別活動等の教育課程編成等の実態についてデータを得ることができた。
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