研究課題/領域番号 |
15530492
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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研究分担者 |
桜井 均 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 助教授 (50119327)
石井 仁 盛岡大学, 文学部, 教授 (10193252)
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キーワード | 学級担任配置慣行 / 学級編成慣行 / 学級編成替え周期 / 少人数指導 / 習熟度別指導 / 生徒指導 / 特別活動 / 学級担任持ち上がり慣行 |
研究概要 |
アンケート調査の分析を行い、以下のような結果を得た。(1)学級担任配置慣行および学級編成慣行については、(1)「6年一貫学級担任持ち上がり」を行う学校は、ほぼなくなっていること。(2)2年ごとに学級編成替えする学校が5年前には4分の3あったが、現在では半分強程度になり、そのかわり毎学年での編成替えが半分に迫る割合を占め、急速に学級編成替え周期の短縮化が進んでいることが明らかになった。その一部について遠藤忠は日本特別活動学会で報告した。(2)少人数、習熟度別指導の導入については、文科省の加配措置によって多くの学校で導入が進んでいるが、必ずしも、習熟度別による小集団編成ではなく、混合編成による少人数指導の採用もかなり多くみられ、「緩やかな習熟度」編成という状況にある。(3)生徒指導に関し問題を感じている学校が大半を占める状況があること。しかし、特別活動の実施時間数は全体として急激な減少を示している一方で、「朝の読書」や「ドリルの時間」などを特設する学校が多く見られ、児童生徒の問題行動と「確かな学力」の間で学校が動揺している状況が明らかになった。 また、数次にわたり松本市立旧開智学校博物館にて資料を閲覧し、学級担任の配置状況、学級編成替えの状況等について調査を行った。この結果得られた意味のある資料は、基本的には明治30年代後半〜昭和8年までの30年間に過ぎないが、明治期から大正期にかけての学級担任配置においては「持ち上がり」の程度が低く、大正末から昭和期にかけては「持ち上がり」の程度が高くなることを明らかにすることができた。また、学級編成替え周期も、明治期には、学級替えの周期が1年から2年と短い一方で、昭和期にはいると長くなり、3年から6年(完全固定式編成)となることも明らかとなり、この時期にこの地方で「持ち上がり」慣行が成立したことが分かった。
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