本年度は、特に昨年訪問調査し多くの資料を入手することができたカリフォルニア州ポーウェイ学区における同僚教員評価制度の実態を、それら資料の分析を通して把握することに努めた。 その結果、カリフォルニア州における州レベルの同僚教員評価制度は、1999年の州制定法(許可規定)によって初めて成立したが、同州ポーウェイ統合学区では、州レベルの制度化に先立って1986年から当該学区における同僚教員評価制度を実施展開してきた事実が明らかとなった。また、ポーウェイ統合学区の同僚教員評価制度は、先発他州の事例と同様に、被評価者の支援的機能を重視したシステムである点では共通の特徴を有しつつも、それら先発事例と比べて、管理職(雇用者側)による評価と同僚教員(被用者側・組合)による評価のバランスという点においては極めて優れており、我が国における教員評価制度を検討する上で大いに示唆に富んでいることも明かとなった。 これらの研究成果は、関連の研究学会(日本教育経営学会)においてすでに報告するとともに、本学紀要並びに関係専門雑誌等にも既掲載及び掲載予定である。
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