研究課題/領域番号 |
15530498
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山口 恒夫 信州大学, 教育学部, 教授 (60115384)
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研究分担者 |
鵜飼 照喜 信州大学, 教育学部, 教授 (80045161)
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 助教授 (80242105)
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キーワード | 教育実習 / 臨床経験 / プロセスレコード / 看護実習 / 自己管理 / 看護過程 / 言語行為 / 反省・省察 |
研究概要 |
研究の初年度である平成15年度には、主として(1)教員養成系大学・学部における教育実習を含む「臨床経験」の指導の実態調査及び実習経験学生によるプロセスレコードの試行的作成、(2)看護教育におけるプロセスレコードの使用実態とその指導方法に関する調査を行った。 (1)教育実習指導の実態調査及び実習経験学生のプロセスレコードの作成の結果 教員養成系大学・学部における教育実習を含む「体験的学修」の機会は入学初年時から増加しているが、「体験的学修」の学部カリキュラムとの有機的連関、「体験」を「知」にまで高めるという点では十分ではないことが調査の結果明らかになった。本学における教育実習についても、実習指導が一部の「事前・事後指導」を除いて、附属学校園教官に任せきりであり、学部授業との関係づけや理論的学修とのフィードバックが不足していることが判明した。さらに、教育実習の指導では、学習指導案の書き方の指導に重点が置かれており、「臨床=授業」場面での瞬時の判断をいかに行うかという観点からの実習経験が十分でないこと、加えて、看護実習と比して、「反省=省察(reflection)」の対象が「自己」ではなく、児童・生徒に向きがちであることが、プロセスレコードの試行的作成から明らかになった。 (2)看護教育におけるプロセスレコードの使用実態とその指導方法に関する調査研究 プロセスレコードが看護実習においてどのように使用され、その作成過程においてどのような指導が行われているのかについて、大分(医科)大学、長野赤十字看護専門学校、京都保健衛生専門学校等の教員から聴き取り調査及び看護学生の作成したプロセスレコードの写し(個人情報については秘匿)を収集した。また、看護学生と教育学部学生に対する聴き取り調査の機会を設け、看護実習と教育実習の異同を析出した。その結果、看護学生は実習中の「自己管理」に大きな比重が置かれているのに対し、教育学部学生は実習中、睡眠時間を削るなど「自己管理」という点での「省察」に目が向いていないことが明らかになった。 平成16年度には、教育実習学生に対するプロセスレコードの本格的作成とその分析及び熟練教師のプロセスレコード作成をいくつかの学校の協力の下に行う予定である。
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