(1)本研究計画の第2年度に当たる本年は、初年度に引き続き、国立公文書館所蔵の「文部省公文書」(昭和59年度移管分)の中、義務教育費国庫負担制度に関する「市町村義務教育費国庫負担法ノ沿革」(全1冊)、「小学校教員俸給・赴任旅費ノ道府県負担移管ニ関スル文書・資料」(全3冊)、及び「教員俸給費国庫負担総規」(全3冊)と題して綴られている薄冊を中心に、資料調査を行った。 これらの資料の中、「小学校教員俸給・赴任旅費ノ道府県負担移管ニ関スル文書・資料」(全3冊)については、詳細な目録を作成するための基礎作業を完了した。既に初年度において、「市町村義務教育費国庫負担法ノ沿革」(全1冊)については目録作成のための基礎作業を終えているので、併せて解説を付して公刊を準備している。なお、「教員俸給費国庫負担総規」(全3冊)については、義務教育費国庫負担政策関連の資料が少ないことから、目録作成は行わないことにした。 (2)本研究に関わる文献資料として、『近代日本教育制度史料』、『地方財政概要』(内務省地方局)などを購入した。特に、『近代日本教育制度史料』は、平成16年5月に名古屋工業大学から奈良教育大学へ転任したが、前任校で整備してきた資料が相当部分手元から離れたため、急遽購入したものである。なお、初年度に購入した資料は、大学の法人化に伴って管理換えの手続きができなくなったため、しばらく利用できなくなっていたが、図書の特別貸出という制度で手元に置けるようになった。これらの事情のため、諸資料を対照しての検討に大きな困難の生じた1年であった。
|