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2004 年度 実績報告書

教育詩学(ポイエティーク)による「現場」のテクスト分析-教育を語る言葉の再生-

研究課題

研究課題/領域番号 15530503
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 晶子  京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10231375)

研究分担者 皇 紀夫  大谷大学, 文学部, 教授 (40077392)
弘田 陽介  東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員
キーワード教育的まなざし / 教育文化論 / 教育文化臨床 / 教育詩学 / 言語=身体 / 教育を語る言葉 / 死生の「現場=言(の)場」 / 死生論
研究概要

従来の教育を語る言葉の成り立つ地平を解析し、新たな教育を語る言葉の生成とその流通のメカニズムを探ろうとする教育詩学の試みの本年度の研究実績は以下の3点に集約される.その成果を本年度は「教育文化論」という形で裏面の論文としてまとめた。
1 教育的まなざし-この研究課題は、教育という営みを、単に授業・教授形態において分析するのではなく、そのような実践を成り立たせている輻湊する言語の交錯地点として捉え、そのような言語の諸方向性が、人間の認識・行動・感受性を構成するという観点、つまり言語という匿名のまなざしが「人間」の形を織り成していくという「現場」の詩学という観点から研究するものである。特にヨーロッパ近代における教育学の発生地点およびその文化的背景にうごめく力動を、今もその渦中にいる私たち近代の人間がどのように受け止めるか、そのような手法論的な課題も引き受けるものであった。
2 言葉と実践、言語=身体-この課題は、人間の諸実践やそれを担う身体が言語とどのように協働するかを、再度記述の場に持ち込もうする研究である。皇は近年の教育の危機を語る言葉が形作るイメージおよびさらなる言語増殖を分析し、また弘田は18世紀のドイツの教科書や風俗書における身体を語る言葉が読者の身体に働きかけるメカニズムを提示するという、新たな試みを行っている。
3 死生の教育詩学-人間が生きて死ぬという、これ以上無い普遍的な出来事の意味合いが近年取りざたされているが、本研究はこの事態を死生を伝える言葉の危機として捉え、その言葉の再生を通して、その死生の「現場=言(の)場」というものを私たちがどのように一人一人受けとめ、次の世代に伝えていくことが出来るかを課題としている。様々な医療実践の事例を検討した上で、鈴木・皇は本テーマで教育哲学会においてラウンドテーブルを開催した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 教育的まなざしの誕生2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木晶子
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 35-48

  • [雑誌論文] 教育的まなざしの増殖2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木晶子
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 49-62

  • [雑誌論文] 言葉と身体2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木晶子, 弘田陽介
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 87-104

  • [雑誌論文] 死ぬこと・生きることをめぐる教育文化2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木晶子
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 105-116

  • [雑誌論文] 教育を語る言葉の「病」2005

    • 著者名/発表者名
      皇 紀夫
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 63-74

  • [雑誌論文] 教育文化臨床と言語2005

    • 著者名/発表者名
      皇 紀夫
    • 雑誌名

      教育文化論人間の発達・変容と文化環境(住田正樹・鈴木晶子編)

      ページ: 75-86

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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