研究課題/領域番号 |
15530506
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小池 源吾 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00178170)
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研究分担者 |
神部 純一 滋賀大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (50253042)
岡田 正彦 大分大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30284136)
橋口 泰宣 大分大学, 生涯学習教育研究センター, 教授 (70101409)
清國 祐二 香川大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (60252889)
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キーワード | パートナーシップ・センター / 生涯学習系センター / 大学開放 / 大学の社会貢献 |
研究概要 |
本研究の目的は、高度生涯学習社会において大学に期待される社会サービスとは何かを究明するとともに、そうした役割を遺憾なく発揮するためのシステム・モデルを開発することにある。 そのためには、来るべき高度生涯学習社会に想定される大学と地域社会のパートナーシップ像と、本邦大学の現況との懸隔がいかなるものかを把捉しておく必要がある。そこで、初年度の研究課題としては、大学開放をめぐる実態を把握し、かつ、そこに内在する問題や課題を究明することに努力を傾注した。具体的には、大分大学、香川大学、滋賀大学、広島大学の4大学における教師の意識調査をもとに、大学開放と、大学開放事業を所管する生涯学習系センターの役割りがどのように受容され、そしてまた、今後のあり方がどのように志向されているかを析出した。 その結果、大学開放は、「利潤」や「学生の確保」等の実利的な目的よりも、「社会貢献」とみなされ、大学が担うべき本義的な機能として受容されていることが明らかになった。しかし、大学開放事業のタイプとして、「正課教育の開放」、「機能的開放」、「産学官連携」等のいずれを重視するかは、大学間で相違がみとめられた。今後、パートナーシップ・センターを構想する際に、事業面で何を優先させ、いかなる性格づけをするかという点で考慮すべき問題のように思われる。 他方、初年度の研究として、大学と地域社会のパートナーシップに関する基礎理論の構築にも努めた。国内外における関連文献、および先行研究を収集し、それらを精緻に分析した結果、パートナーシップ・センターについて思惟するにあたっては、大学と地域社会の関係においては、「対等平等」、「共生」、「利益の共有」、事業の運営においては「協働」、「媒介組織」、「アウトリーチ」、「participatory action」などが鍵概念となることが判明した。
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