研究課題/領域番号 |
15530507
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸山 恭司 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30253040)
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研究分担者 |
坂越 正樹 広島大学, 大学・院教育学研究科, 教授 (80144781)
曽余田 浩史 広島大学, 大学・院教育学研究科, 助教授 (60253043)
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キーワード | 教育倫理学 / 教職倫理 / 国際情報交換 / オーストリア:ドイツ:ニュージーランド:オーストラリア / ケースメソッド |
研究概要 |
本研究は三つの課題を立てており、それぞれについて本年度の実績を報告する。 【課題1】教育倫理教育の哲学的基礎の解明:坂越が『教育哲学研究』(第91号、2005年)に「価値多様化社会における『規範』の問題:総括的報告」をまとめた。 【課題2】諸外国の比較による教育倫理教育の現状と課題に関する調査:丸山が、ドイツ語圏の調査としてグラーツ大学およびドイツ国際教育研究所を訪れ、また英語圏の調査として香港で開催された南太平洋州教育哲学会年次大会に出席して、教職倫理綱領や関連法規の内実と教育倫理教育実践の現状と課題について関係者と面談調査を行った。 【課題3】教育倫理教育の授業モデルの提示:丸山が代表して、日本教育学会第64回大会(東京学芸大学、2005年8月)において「教職倫理をケースメソッドで教える」という発表を行った。また、丸山が慶應義塾大学大学院経営学研究科で開講された「ケースメソッド教授法」研修に参加し、ケースメソッドの授業を行う際の諸問題について調査吟味するとともに、自らケースメソッドによる模擬授業を実践し評価を受けた。なお、教育哲学者国際連絡会第10回隔年大会(平成18年8月マルタ)において、成果の一部を発表予定である("Teaching the Professional : Ethics of Teaching with Cases")。 本研究の成果からと次の点が示唆される。他者への倫理的態度と実践的な倫理的判断力を涵養する指導法として、倫理的ジレンマケースのディスカッションを中心におくケースメソッド教授法が有効である。そうした実践的な授業を中心とした教職倫理教育のプログラム化のためには、ケースメソッドのような指導上の工夫の他に、次の三点が課題となる。(1)そうした授業に利用可能なケース教材の作成、(2)そうした授業にふさわしい評価法の導入、(3)そうした授業が実践可能な担当者の養成、である。
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