平成16年度においては、第一に、平成15年度実施の保護者対象調査の結果から、家庭・学校・地域社会の教育連携に資する学校評価システムで不可欠な評価項目として、学校教育に対する期待や「信頼される学校づくり」の視点から「学校の情報発信・情報受信」について検討ずるとともに、学校の取組状況についての保護者の期待を明らかにした。第二に、家庭・学校・地域社会の教育連携について、1984年調査、1994年調査(林、1998)の実施地域である徳島市において、平成15年度に開発した2004年調査を実施(平成16年6月)するとともに、調査対象校の特色ある教育・特色ある学校づくりについての訪問調査(平成16年6月、平成17年2月)、並びに徳島市における学校評価システムの導入に係る状況について教育委員会担当者の面接調査(平成16年6月、平成17年3月)を実施した。2004年調査の結果については、20年間の保護者の意識変化を踏まえ、今日の家庭・学校・地域社会の教育連携状況を完全学校週5日制の実施との関連、及び学校の自己評価と情報公開の視点による学校評価システム導入との関連において分析考察中であるが、中国四国教育学会第56回大会(平成16年11月)で「学校教育に対する保護者の期待の変化に関する考察-徳島市における1984・1994・2004調査の比較を通して」及び「学校週5日制に対する保護者の意識からみた学校経営の課題」の2件の発表を行い、現在の保護者の意識の特徴を明らかにした。第三に、徳島市における学校評価システムの導入が平成17年度であることに鑑み、平成15年度から導入されている広島県公立小学校の校長・教員対象に「学校評価システムに関する調査」を実施し(平成17年3月)、定着状況における成果と課題について分析考察中である。なお、広島県での調査は平成14年度末から実施しており、今回の調査結果は縦断的に分析考察する予定である。
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