研究概要 |
平成18年度では,特に,学校評価システム導入・定着による家庭・学校・地域社会の教育連携の推進をめぐって,学校経営上の課題を明らかにし,特色ある開かれた学校づくりの視点を踏まえ,今日の子どもの変容に対する教育経営研究のあり方を考察し,学校評価システムが子どもの育ちの場において子どもの成長にかかわる人と組織が,その役割を確実に遂行すること,そのなかで人や組織ほ連携・協働し七相互補完的に子どもに向き合うことを可能とする,すなわち,家庭・学校・地域社会の教育連携の推進に有効な一つの装置として機能できることを明らかにした。 本年度の成果に基づき,これまで4年間の研究成果を総括して,研究成果報告書をとりまどめた。報告書では,第I部で,徳島市における1984・1994・2004年実施の保護者対象調査の比較を通して,20年という時間の経過による地域の変化を踏まえ,家庭・学校・地域社会の役割分担と教育連携に関する保護者の意識変化について明らかにし,第II部では,学校評価システムの概要とともに学校評価システムの導入・定着の意義について,広島県における学校評価システムの導入・定着調査を中心にして学校評価システムの導入・展開に関する意識と家庭・学校・地域社会の教育連携の推進方策について,子どもの変容にかかる教育経営の推進を展望して学校評価システムの導入・定着による家庭・学校・地域社会の教育連携の基本的視座を明らかにした。特に,家庭・学校・地域社会それぞれの教育力を高めるために,今日,三者に求められる取り組みに向けての課題とともに,家庭・学校・地域社会の教育連携の推進方策として,学校評価システムの導入・定着を踏まえ特色ある開かれた学校づくりの基本的あり方についての示唆を,さらに,家庭・学校・地域社会の教育連携の推進における学校管理職の役割についての示唆を明らかにした。
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