研究課題/領域番号 |
15530509
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
佐古 秀一 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30153969)
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研究分担者 |
石村 雅雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80193358)
岩永 定 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90160126)
佐竹 勝利 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30071674)
芝山 明義 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10243742)
弓削 洋子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80335827)
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キーワード | 学校改善 / 学校の自律性 / 協働 / 組織開発 / 学校組織特性 / 学校経営 |
研究概要 |
本年度は、学校が自律的に取り組むことを促進あるいは阻害している組織的ないし経営的要因を探索することをねらいとして事例調査を実施した。 1.小学校における組織的問題解決過程に関する継続的な事例調査 高学年において学級崩壊を繰り返し経験している小学校を対象として、およそ6ヶ月間にわたって、学級・学校観察、管理職及び全学級担任教師を対象とする聴き取り調査を実施した。調査は、学級崩壊に対する学校の組織的対応の実態、学級崩壊に関する教員の意識と行動(とりわけ情報共有と相互関与の実現状況)を明らかにすることを目的として実施した。調査の結果から、(1)学校の組織的対応の主要な部分が、教師の個業性を前提としたものであり、さらにそのことによって個業性が強化されるよう作用していること、(2)教師間での学級や子どもの実態認識に関する交換・共有が組織的に遂行されておらず、それが学校の組織学習を阻害していること、などの知見を得た。このことから、個業型組織構造に依存した学校の問題解決様式の特徴とその限界を明らかにすることができた。 2.持続的な教育改善に取り組んでいる学校の事例調査 組織的な教育改善に取り組んでいる小学校2校を対象として、事例調査を実施した。調査内容は、学校で開発された学校指導システム、カリキュラム、学校の研究・研修に関する組織とその運営を中心とした。この2校は教員間の価値共有を重視するタイプ、ならびに自律多様性を重視するタイプと対比できるが、いずれも子どもの実態及び課題の認識を組織的に追求し交換する場が、教育改善の主たる要因となっていることについては、共通性が見出せた。
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