8月に今井が、ベルリンの四つのシュタイナー学校、具体的には、クロイツベルクのシュタイナー学校、シュタットミッテのシュタイナー学校、ダーレムのシュタイナー学校、メルキッシェス・フィアテルのシュタイナー学校を訪問し、アンケート調査を実施するとともに、学生へのインタビュー調査を行なった。インタビューの結果、平均的な力つまり、判断力とか、記憶力とか、理解力とかが優れているから、短い試験準備期間でも対応できると考えていることがわかった。シュタイナー学校は、試験はしないけれども、基礎的な力が育っているので、アビトゥア試験にも合格できる、というわけである。 11月に坂野が、バーデン・ヴィッテンベルク州の四つのシュタイナー学校、具体的には、フィルダーシュタットのシュタイナー学校、プフォルツハイムのシュタイナー学校、ノイトリンゲンのシュタイナー学校、エスリンゲンのシュタイナー学校を訪問し、インタビューとアンケート調査を行なった。基礎学校4年を終了してからシュタイナー学校に入学してくる子どもは、ギムナジウム進学を推薦されていない生徒なのだが、結果的には50%程度はアビトゥアに到達することが判明した。これは、シュタイナー学校の教育の優秀さを傍証するものと見られる。 現在、アンケート調査の入力は終え、分析に入る準備がととのったところである。アンケート結果とインタビュー結果をもとに、6月下旬に開かれる日本比較教育学会第41回大会で報告予定である。
|