研究課題
1.愛知県犬山市における増築校舎建設愛知県犬山市教育委員会において、「学びの学校建築」設計委員会の活動を前年度に引き続き行い、2つの小学校において、新しいコンセプトによる増築校舎を建設した。平成19年3月に竣工し、4月より供用開始である。この増築校舎部分は、少人数学級実施のための学級教室と、少人数指導のためのサブ教室、学年のまとまりをつなぐオープンスペースなどを備えている。次期に行われる、全面改築予定小学校の校舎建設については、当該小学校において建設準備委員会がスタートしており、こちらの会議にも参加して新校舎の検討を開始した。増築2校舎の事例から得られる情報を最大限に活用する予定である。2.資料収集と分析長野県北安曇郡・小谷小学校、品川区・日野学園、海陽学園、立命館小学校、同志社小学校、大阪教育大学附属池田小学校等を見学し、情報を収集した。とくに小谷小学校の図書館や、池田小学校の教員スペースなどは新しい学校施設としては特徴的で、今後の他校の参考となる。しかし、例えば池田小の例は、学校の置かれた状況の特殊性から、その効果が一般に正当に評価されにくいことが予想された。名古屋市立大学の鈴木賢一教授と支援している名古屋市の小学校建設は、基本計画の策定が終了した。住民や教員、専門家の建設プロセスへのかかわりにおいて、参考となる情報が得られた。3.成果の発表本年度の研究成果の一部は、榊・酒井・笠井編『現代教育と教師』(大学教育出版)において「学校施設と教師の役割」を、篠原編『スクールマネジメント』(ミネルヴァ書房)では「危機管理」に関連して公表した。また、建築学会の教育施設小委員会において、池田小学校に関するレポートを提出した。1の増築校舎は、4月より実際に利用されるため、施設の評価を含めて、今後、検証を行い、その成果も順次公表していく予定である。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
篠原清昭編『スクールマネジメント』(ミネルヴァ書房)
ページ: 212-226
榊達雄, 酒井博世, 笠井尚編『現代教育と教師』(大学教育出版)
ページ: 147-159
C&D Vol.37 No.144
ページ: 13-32