アフガニスタンと日本の人々の異文化接触の実態とその効果を解明するために、平成15年度から平成17年度にわたって、アフガニスタン女性教員研修受入を行うお茶の水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学、日本女子大学において、以下の研究を行った。 (1)5つの女子大学が共同で実施した研修受入プログラムを分析し、そのなかでのアフガニスタン女性教員と日本人参加者との接点を明らかにした。 (2)5つの女子大学がそれぞれ独自に学内外で実施した学生向けのアフガニスタン理解のためのプログラムを分析した。 (3)全5女子大学で平成15年度および17年度に前者では1、2年生、後者では3、4年生を対象に無作為抽出でアンケート調査を行った。調査にあたっては回答者の人権、個人情報の保護には十分に注意を払った。調査内容は2回共通の項目を中心とし、さらに2回目は対象者が3、4年生になっていることを生かすために、キャリア志向との関係を探る質問を追加した。 (4)日本での研修終了後の研修員に日本およびアフガニスタンで面接調査を行った。 (5)上記の調査結果を分析し、とくに日本人学生の異文化接触の実態と、それが彼女たちの将来設計にまでおよぼす影響について総合的考察を行った。 (6)当該プログラムに直接関与した学生については元々の動機付けがあった上に直接アフガニスタンの研修に関わることにより強い衝撃を受け、将来設計にまで影響を与えている。一方、一般の学生については、各大学で実施された企画への参加、は限られているものの、大学として国際協力に取り組んでいるという姿勢がインパクトを与え、いずれも強い国際志向を示したが、大学間の違いも顕著にみられた。
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