研究概要 |
目的:盲学校の本科保健理療科(本保)、専攻科保健理療科(専保)及び専攻科理療科(専理)卒業生の内、三療(あん摩・はり・きゅう業)の未就業者の数と理由を明らかにし、理療教育の将来検討の基礎資料に資する。 方法:全国の盲学校60校に質問紙調査票を郵送し、平成10年度から同14年度までの5年間に卒業した生徒の現況調査を依頼した。調査実施月は平成15年2月である。 回答率:51校から回答を得たので回答率は85.0%だった。 結果及び考察:過去5年間の各課程別卒業生数は本保451人、専保350人、専理1,367人であった。このうち調査日時点で三療に就いていない卒業者の割合は、専理12.4%(170人)、専保35.0%(121人)、本保39.7%(172人)で、本保と専保に未就業者の割合が高い。このうち、あん摩師免許未所持者の割合は専理18.5%、専保33.1%、本保60.2%だったことから、本保卒業者では免許所持率の低さが就業率低迷の主要因であることがうかがえる。 一方、未就業者のうち、あん摩師免許所持者の割合は同順で81.5%、66.9%、39.8%であるが、専保・本保卒業生に、社会スキルの拙劣さによる職場適応困難者が著しく多いこと(専理4.5%に対し、専保卒18.9%、本保卒15.1%)、その約6割が卒業後一度も就業せずに自宅待機中であったことが、特筆される。 結語:(1)本保卒業生の約4割が免許未所持を主な理由にあん摩業に就いていないこと、(2)本保・専保卒業生では、免許所持者でも、その約2割が、適応困難を理由に就業していないこと等の事実が判明した。
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