研究課題
基盤研究(C)
本研究では中高一貫教育における数学科のカリキュラム構成を、「学校の方針」、「教師の数学に対する態度」、「学習者の数学の達成度」、「高等学校の数学教育に対する社会の要請」、「数学の社会的有用性」、「数学教育史からみた中学校のカリキュラム」といった点から考察した。特に、「学校」「教師」についての考察は本研究の大きな柱であり、昨年度に実施した中高一貫校の数学科主任調査(231校分)、教師調査(1171名分)の分析から、中高一貫校では、数学の時間数が極めて多く、指導内容は学習指導要領で削除された内容を中心に高等学校の内容を多く取り入れていること、また、一部ではあるがゼミ形式や学校段階を超えて授業を行なうなどの独創的な授業を行なっている学校があることなどが明らかになった。学習者の達成度については、大規模調査の経年的な分析から、学力低下の真偽は幅広い視点から検討する必要があること、また、高等学校については、教科編成、教師、大学との接続等々を含む7つの観点から検討する必要があること、数学の社会的有用性については、数学的モデル化の重要性を、数学の評価における4観点から明らかにし、さらに数学教育史では、明治以降の数学教育論から中学校の数学教育において、特に論証指導や定式化できないものを含めた関数指導の重要性などについて主張した。本科研のまとめとしては、中高一貫教育校の授業の実際も踏まえながら、中高一貫教育の数学科のカリキュラム構成について、目標については陶冶的目標の重視を、内容については先取り学習の慎重なる対応を、方法については高校教師が中学を担当した際に生じる問題点を、評価については目標に準拠した評価への着目を指摘した。特に、学校制度が複雑化する中で、これまで以上に教師教育の充実が必要であると考えられる。
すべて 2005 その他
すべて 雑誌論文 (8件)
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