研究課題/領域番号 |
15530569
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤澤 英昭 千葉大学, 教育学部, 教授 (90173418)
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研究分担者 |
上野 弘道 千葉大学, 教育学部, 教授 (00108276)
宮崎 甲 千葉大学, 教育学部, 助教授 (60272291)
東崎 健一 千葉大学, 教育学部, 教授 (30102031)
加藤 徹也 千葉大学, 教育学部, 助教授 (00224519)
大河内 信夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (40026620)
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キーワード | 小学校教員養成 / ものづくり / 工作教育 / 教材開発 / 総合学習 / 生活科教育 |
研究概要 |
本研究は小学校のものづくりを全体的に考察して行こうとするものであり、理科教育、図画工作科教育、生活科教育、技術科教育の教員が参加している。本年度においては図画工作科教育担当からの「見ても、遊んでも魅力的なビー玉転がしを造る(4・5人の共同作業)」の実践と問題点の所在が報告されている。この授業では最終的な小学生との交流にむけて、学生達が自由な発想で立体造形を行い、素材の知識や経験を高めることに重きを置いている。技術技法の教育という観点からではなく、図工教育独自の「創造的な技術」という視点で、「自ら学び取る」とはいかなる事かを体験する。過去の授業実践から本年度は造形経験のない者が「創造的な技術力」を獲得するためには、過度に計画性を重要視せず、むしろ「ある程度無計画に材料と格闘する」という小学校での図工の取り組みと同様な展開が有効であったと確認できた。行動を先行する、その上で臨機応変に出てきた問題に対処する。 一方で理科教育の立場から機能を中心にしたものづくりにおいて、最も重要なことは、作品の完成時に達成感が味わえることとした上で、完全にとはいかないまでも、狙った機能を狙い通りに実現するものをつくる必要がある。そのためのひとつの近道が「実際に活用されているものを自分なりに分析し、重要な点は模倣すること」である。狙った機能を発揮するものづくりに「仕組みはよくわからないがまねてみるとうまくいく」という経験は、ものづくりをおもしろい活動として捉えさせ、持続させるためには必要な過程である。 一見矛盾するような方向性が見られるが、この矛盾の昇華がものづくり教育において大変重要な点となる。次年度においてこのような調整過程を経て結論を得たい。
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