平成17年度前半は、昨年度に引き続き、中学校技術・家庭(家庭分野)における「家族と保育」をテーマにした授業で実施した「死」について考える授業について、生徒のワークシートを分析した。今年度は、分析結果の精度をあげるために、調査対象を全クラスに拡大した。さらに、単元終了後と比較するため、部分的にワークシートデータを収集した。現在、すべてのデータを入力し終え、分析を進めているところである。 後半では、家庭科における「いのちの教育」に関する講演会、ならびに実践報告・交流会を日本家庭科教育学会近畿地区会との共催(後援:大阪府教育委員会・大阪市教育委員会・大阪教育大学家政教育講座)で実施した。 講演会は、講師として大阪教育大学の岡本正子教授を招聘し、「子どもの"いのち"と虐待」をテーマに基調講演ならびにディスカッションを実施した。実践報告では、中学校・高等学校の家庭科における「いのち」の学び(報告者:望月一枝教諭)を取り上げるとともに、小学校の実践に関する情報提供も行った。専門とする研究分野を問わず、大阪府下の小中学校に勤務する教員にも広く参加を呼びかけたところ、家庭科教員をはじめとする50余名の参加者が得られ、有意義な意見交換が実施できた。中でも、医療関係者やソーシャルワーカー、養護教諭、社会科教諭など、家庭科以外を専門とする参加者と交流できたことは、残された課題を把握・整理するうえで大変意義深かった。 なお、本研究は、茗溪学園中学校・高等学校教諭(現:秋田大学教育文化学部教授)望月一枝氏の全面的な協力を得て実施した。
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