• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

教室文化の構成過程と数学学習への影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530579
研究機関愛知教育大学

研究代表者

佐々木 徹郎  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20170681)

キーワード教室文化 / 相補性 / 再帰性 / 規範性 / 数学的コミュニケーション / 機械論的 / 生命論的 / パターン科学
研究概要

本年度は4年間の研究の最終年であった。研究の総括として,教室文化の意義についてまとめた。教室文化は,国や地域,教育行政,制度,学校などの社会的文化によって規定された既成ものであるという性質がある。同時にまた,教師と児童・生徒,教材などによって構成されるものでもある。このような二重性格を,「教室文化の相補性」と呼んだ。さらに,このことと関連して,教室文化は,児童・生徒が作るものでありながら,児童・生徒の心や学習を構成する働きをもっている。これを,「教室文化の再帰性」と呼ぶことにした。これらの性格は,文化が本来もっている複雑性に起因しているものである。
まず,そのためには,妥当な教室文化は何かが重要である。つまり教室文化は,教室における学習のための「規範」としての側面がある。これを,「教室文化の規範性」と呼んだ。これは,教師の指導や児童・生徒の活動,そしてお互いの関わり方を確立するためのものである。そして,教室が数学的なコミュニティーとなることが重要である。そして,教師や児童・生徒の数学観と深い関係がある。
教室文化の特徴を考察すると,大きく2つに分類できる。機械論的なものと生命論的なものである。これは,ドイツのE.Wittmannがスイスの経営学者F.Malikの研究を参考として,数学教育に導入した概念である。生命的な教室文化は,全体性や多様性の重視,社会的・能動的な学習であり,数学化の過程やパターン科学としての数学観である。妥当な教室文化とは,生命論的な特質をもつ教室文化である。我が国にみられる児童・生徒の全員参加をめざす授業は,まさに生命論的なものである。
本年度には,生命論的教室文化を構成する観点から,小学校4年生に対して,「数のパターン」についての授業を実践し,分析・考察を行った。児童全員の多様な意見を取り入れながら,授業を構成するように意図した。児童は予想を越えるアイデアを出していった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] わり算の筆算指導の構成主義的改善2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 徹郎
    • 雑誌名

      全国数学教育学会誌 数学教育学研究 第12巻

      ページ: 13-21

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 教室文化の構成と数学学習への影響2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 徹郎
    • 雑誌名

      日本教科教育学会全国大会論文集 第32回

      ページ: 103-104

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 筆算から文字の学習へ2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 徹郎
    • 雑誌名

      数学教育論文発表会論文集 第39回

      ページ: 271-276

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] TIMSS2003・PISA2003の調査結果を超えて2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 徹郎
    • 雑誌名

      日本数学教育会誌 数学教育60-3 第88号

      ページ: 13-18

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 算数・数学授業の静かな改革2006

    • 著者名/発表者名
      佐々木 徹郎
    • 雑誌名

      愛知教育大学数学教育学会誌 イプシロン 第48巻

      ページ: 57-62

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi