本研究は、教育においてジェンダー問題にどのように取り組む必要があるのかを検討するために、制度的平等をかなり達成ししている北欧(スウェーデン・ノルウェー・デンマーク)で行われているアクション・リサーチの検討を行い、日本の小学校や中学校でのアプローチを考案し、実施・検証してみることを最終の目的としている。例えば、ジェンダー・バイアスの高い教科でどのようなアクションを起こす必要があるのか、男女の権力関係が作動している教室空間ではどのような取り組みが必要なのかなどを実践的に検討するとともに、教師が絶えず教室空間を分析し、アプローチを試みることができるための力量をどのように形成することができるかを明らかにすることは重要である。 そのために、今年度は、スウェーデンを訪問し、プレ調査を行った。調査の内容としては、スウェーデンで行われた「ジェンダー・エクイティのためのアクション・リサーチ」のプロジェクト例を収集するとともに、関係者に会ったり、アクション・リサーチの背景を押さえるために、関係大学や教育委員会を訪問し、ジェンダー教育関係の研究者や教育委員会のスタッフに面接調査を行い、スウェーデンのジェンダーに関する教育環境、教師や子どもたちのジェンダー意識、ジェンダーへの取り組みや研究動向を調査した。
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