研究課題
基盤研究(C)
Williams Syndrome(以下WSとする)の音楽的能力に関する研究は、医学領域で発展を遂げているものの、実践レベルの方法論は未開拓である。その先進国は、10年の歴史を持つ米国である。平成14〜15年度には、青年期以降を対象とした芸術キャンプ(ベルボア・テラス/マサチューセッツ州)、平成16年度には幼児・児童期を対象としたキャンプ(インディアン・トレイル/ミシガン州)を視察した。前者は、音楽・芸術教育を目的としており、後者は行動療法的な音楽療法を目的としている。それらを先行研究として、平成14〜16年度に3回の芸術プログラムを企画・実施した。すでに、WSの音楽表現行為の特性については、萌芽研究(平成14年度)『Williams Syndrome患児のための音楽・芸術プログラムの開発(課題番号14658067)』および本研究における前年度の報告で述べた通りである。今年度の成果として、WSの表現行為の特性に焦点を当てた教材・活動の開発の発展が挙げられる。日本のWSの特性を考慮した以下のようなオリジナルの活動を創出することができた。a:楽器の開発b:美術と運動を融合させたプログラムc:音楽と運動を融合させたプログラムd:音楽・美術の個別活動また、その活動を通して、『転移=逆転移』『傷ついた癒し手』という精神分析におけるユング派の概念を用いた表現行為の解釈が可能であることがわかった。一方で、米国との比較を通して、音楽行動目標に沿った分析についても検討した。その結果、WSの表現行為を「感性情報」「感性行動」「感性表現」の3領域によって感性システム化する可能性を見出した。
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すべて 雑誌論文 (12件)
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