研究課題
基盤研究(C)
ある程度経験を積んでも、なお授業をまともに遂行できない教師が増えている。教師を育てる、あるいは教師一人でも自らの能力を高めるためには、授業とは何かを明らかにしていく必要がある。我々は「授業学」を「授業を科学する学」と規定した。即ち授業の要因を明らかにし、それらの要因が授業にどのような影響を与えるのかを明らかにし、再現性のある結論を導くことを目指した。かつ、授業を科学するためには、授業評価が絶対に必要なものであることを確認した。授業の要因を、糸山らが提起した授業研究モデルから、学習概念(C)、学習用素材(M)、学習指導法(I)及び学習環境(E)とし、学習用素材(M)や学習指導法(I)が学習者のスキーマの変容にどのような影響を与えるかを、連想法を用いた授業評価法によって、明らかにした。例えば系統的な教え込み型の授業では、概念の収束性が見られる。また、学習用素材として類比的な(アナロジー)素材の場合、学習者の概念は拡散性が大きくなると言ったことが明らかとなった。また、授業に対する情意面の評価も連想法を用いて測定し、学習概念(C)は「面白いけど難しい」側に、学習用素材(M)や学習指導法(I)は「面白い」軸に近いところに現れることを見出した。小学校から大学の授業の全てにおいて、この結論は変わらない。授業の評価法として独自の連想法を用いているが、連想そのものの研究も進展した。集団(Mass)としての連想を問題にすることから、連想エントロピー(H)、連想距離(D)、連想量(A)を定義し、これらの諸量が被験者数及び反応時間の変化と共にどのように変化するかを明らかにした。「熟達者(エキスパート)としての教師」の必要条件は、「遂行のための評価基準」を持つこという。授業評価は、この「遂行のための評価」に他ならないことを明らかにした。
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