本研究は、博物館と学校が連携するための国際理解をテーマとした総合学習用アウトリーチ教材の開発を行い、その現場利用の可能性を明らかにすることを目的としている。 本年度は第一年目として次の研究活動を行った。 1、これまで研究代表者及び研究分担者が神奈川県立地球市民かながわプラザと共同で開発に当たった「食」をテーマにした国際理解のためのアウトリーチ教材(「スーツケース総合学習教材」)を、現場教師の協力を得て、同プラザの国際理解展示室の展示とも連携させて利用できるように改善し、新しい教材を完成させ、一般にも貸し出しできるものにした。 2、新しいスーツケース教材の開発のため、アウトリーチ教材開発の先進的な試みをしているアムステルダムの熱帯博物館、ハーグ市立教育博物館、ライデンの民族学博物館、バルセロナの民族学博物館等ヨーロッパの先進的な博物館を訪問し、開発のプロセスや課題について調査した。 3、1、2、から学んだことを生かして、国際理解教材の一例として多文化社会米国理解のためのスーツケース教材の開発に取り組み現在試作品を作成中である。 次年度は、完成したスーツケース教材を用いて現場で授業を行い、その可能性を検証するとともに、学会や研修会を通して同教材の普及をはかる予定である。
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